これがブランドの芯であり 選曲基準であり 図案の理屈であり 名乗りの根拠でもある ミックスプレートという料理自体が ハワイのプランテーション労働で各国移民の弁当が一皿に混ざって生まれた 屋号の語義がそのまま この芯の実例になっている
屋号は料理名ではなく「場所」の名前 だから RECORD と単数で名乗れる 店を名乗ることはカタログを主張しないから リリースがない段階でも嘘にならない
鳴らすのは戦前〜60年代のアメリカと それが海を渡ったあとの音だけ 東京の片隅の定食屋から 月に一皿
バックビートがあるか
踊るための音楽か
渡ってきたものが その土地の手で作り変えられているか
原価ほぼゼロ 世界観が本物であることの証明 まずここから始める
小ロットのTシャツ等 番号と TOMIGAYA TOKYO を刷って カウンターの向こうを身につけられる形に
最も重く 最後に据える一皿 二杯のライスと 月替わりの選盤とともに
子どもの頃は 分かりやすい劣等生だった
大人に言葉が通じない
分かってもらえない
ここから抜け出したい
その苛立ちを うまく言葉にできなかった
大人との戦いの日々
だが ある音楽だけが
その感覚を そのまま鳴らしていた
歌詞の意味は 分からない
それでも 魂が揺れた
ずいぶん経ってから知った
これは 虐げられ 押しのけられた者たちが鳴らした音だった
黒人アメリカの叫びを真ん中に
貧しい労働者や 島へ渡された人たちが
言葉の代わりに 体で鳴らした 解放の音
背負わされたものの重さは 比べものにならない
そこを一緒にする気はない
ただ 周波数だけが 届いてしまった
言葉が通じない時 体が先に動く あの感じ
そして分かった
この音はみんな 拍の真上じゃなく その外で鳴っている
2ビート バックビート 裏打ち
正しい拍から わざと外れて
その外側に 逃げ場と 自由がある
三周ほど回って すっかり丸くなったが
それでも この拍の外の音だけは 手放せない
ここに 全部 詰まっているからね